過日、札幌の女性から「テレビで見た助け合って住み認知症が改善したという住まい方がいいと思うので札幌西区で紹介して欲しい」という電話がありました。共同住まい「夢の森」のTV放映を見られたのですね。でもご紹介できるところを知りませんので、相談のできるところを伝えました。数日後「サービス付高齢者住宅しかわからないそうです」と残念そうな声の電話がありました。
住む人が主体的に自立する、ということがかなり難しいらしいということはなんとなくわかります。介護認定の基準に「自立度」があり、「食事の支度ができるか」「買い物ができるか」「薬が飲めるか」「掃除や整理整頓ができるか」などのチェック項目があります。偏った食事が続けば健康を害し病気になるでしょう。冷蔵庫を見て必要なものが買えれば同じものがたまらないでしょう。お医者さんに指示されたとおりに薬が飲めなければ危険です。ごみ屋敷は困りますね。
共同住まい「夢の森」の入居基準が「自立していること」「階段を上がれること」なのです。身体的に衰えていき、出来なくなることが多くなって人の手を借りなければならなくなったときは、お互いさまの精神でまず助け合うこと、ついで外部からのサービスを利用する、で対応しなければならないでしょうが、不要な手助けはできるだけしない、頑張って自分でしましょう、ゆっくり待ちますよ、這ってでも階段を上ることで身体機能は維持改善されますよ、なのです。
介護サービスを使って出かける時の頼りなげな歩き方が、自分で出かける時はしゃきしゃきと歩けたり、ぼんやりとした表情が工房では輝いて、仕事をしたり、場の中心になって話したりすることができるのです。
「作られた高齢者像」に高齢者自身が自分を当てはめていく傾向があるのではないか、一種の甘えとか保身であるかもしれません。必要以上に依存心を募らせて行く傾向。お金を払っているのだから当然と言う意識がいろいろなことを面倒にして、最終的に自分に不都合をもたらしているようにも思えます。
今日は無届ホームが問題視されていることをテレビで取り上げていましたが、問題点を多面的にもう少し考えてみたいと思います。