第8回 家仕舞い

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前回FP相談室を書いてから数か月が過ぎてしまいました。今回は家仕舞いについて感じたことを書いてみます。言葉の定義ですが、ここでは住み慣れた家を離れるにあたって家の諸々を片付け始末すること、とします。70代80代の持家比率は若い世代に比べて高いのですが、これは日本の高度成長を支えた要因の一つです。持ち家を持つことがサラリーマンの目標であるようにうまく誘導されて、また高齢期の財産づくりにもなると錯覚させられて長期のローンを払い続けた結果です。

  1. 子供は独立してもうこの家には帰ってこない。
  2. 施設に入ることが決まった。
  3. 施設に入っているが、空き家の維持管理が大変。
  4. 空き家を貸して、家賃を貰う。
  5. 独居でいることが心配になってきた。
  6. その他

大体以上の理由で、長年の住み慣れた高齢独居の生活に終止符をうち、集団か半集団の生活にチェンジするようです。介護の必要が目に見えていれば決断もしやすいのでしょう。①②③④⑤のケースで家仕舞いのお手伝いをしたことがあります。⑥に該当するのは、自分はもうできなくなり他の人や方法で片付けるケースで、目にしたことがあります。いずれも自力では無理があり、誰かの手助けが必要でした。

理由は、①物が多い ②思い出があり処分できない ③もう少し頑張れるのではないかという躊躇する心 ということでしょう。

事務的に決断できるのは他人ですから、家仕舞いを決心した段階で人に頼むのが一番早い方法でしょう。

 

ところで家仕舞いが本当に必要かどうかはかなり微妙なところと私は思っています。家仕舞いが必要なその他の理由に、死亡とか、病気とか、認知症などの場合があると思うので、本当に家仕舞いが必要になるまで、思い出の中で何とか暮らしてゆけるようなプランを作れないものでしょうか。

家の財産価値はほとんどゼロですが、家にいる限り住居費はかからず、食費も食材費で済みますが、サービスを外部委託する場合の費用が必要ですから月にかかる経費は施設などを利用する場合と大して変わらないと思うのです。

ただ、ごみ屋敷に近い状況にならないように注意しましょう。ごみの分別ができないとか、ごみの日が分からない時は、認知症になっているかもしれませんよ。ご注意あれ!