今日の工房は出席の方が多くて満席でした。午後からはさき織の先生も見えて大賑わい。
Aさんは携帯電話入れ、Sさんは洋裁の道具入れ、Kさんはかわいい草履の形のキーホルダー、Tさんは出来上がったバッグの横縞柄が5ミリずれたといってほどいて直し、Dさんは袋、Mさんは手持ちの布とベルベットを組み合わせてチュニック、昼近く来たFさんは着物をほどいてゆったりしたベスト、と各々違う仕事をしています。それぞれに的確なアドバイスをするのは今日の担当の及川先生。彼女は和裁師の資格を持ち、かつては和服を縫っていて合間に小物をたくさん作っていて、何を聞かれても即座に答えられます。若い頃は洋裁もしていた、というからまさに鬼に金棒。踊りもうまいし歌もうまい、琴だって弾く。写真もうまいしパソコンだって教えられる。天は三物も四物も彼女に与えたようです。
私はさき織のベストと袋を完成させたので、試着してもらって改善すべきことを皆さんにアドバイスしてもらうのが今日の仕事。皆さんの意見を次の作品に取り入れたいと思う。さき織を始めて一年経ったが、未だに偶然とかあてずっぽうという言葉が当てはまる物しかできていない。自分の感性で自由に織るのがいいという都合の良いセオリーを掲げて言い訳をしつつの作品作りである。今回のベストの織のデザインは、織りあがって壁にかけて見ながら「流氷の海」と名づけた。さき織の先生はまあまあの感触、試着の皆さんの感想は丈をもう少し長く、袖のくりを緩めに、だった。同じものはできないし一点一点の作品作りは時間がかかります。先輩は設計してから織りはじめるのよ、とアドバイスしてくれたけれど、織りあがってからああでもないこうでもないと考えるのも楽しいのです。